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クリエイティブを「ビジネスの言葉」で語る。アクセンチュアで見出したディレクター/デザイナーの新境地
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「コンサルタントが、クリエイティブに理解を示してくれるのか?」——そんな疑念を抱くデザイナーやディレクターは少なくないかもしれない。しかし、少なくともアクセンチュアにおいては、それは杞憂だろう。
近年、多くの大手コンサルティングファームが、デジタルマーケティング領域の支援を強化している。その代表格であるアクセンチュアは、「デジタルエージェンシー」としても大きく成長。戦略と実行をデジタルでつなぎ、顧客体験を起点にクライアント企業の変革を支援する同社のサービスは、制作・開発・キャンペーン企画・データ分析・SNS・PR・DX・人材教育など多岐にわたる。
成長の原動力になっているのは、クライアントの経営戦略などを踏まえた「戦略立案」から、クリエイティブの「実行」、そして長期的な「運用」までを一気通貫で支援できるという同社ならではの強みだ。
果たしてアクセンチュアで、どのようにクリエイティブは生み出されているのか。アクセンチュアのデジタルマーケティング領域で働く二人へのインタビューから浮かび上がったのは、ビジネスとクリエイティブを高度に結びつけるディレクター/デザイナーとしての「新境地」だった。
ただ「ビジュアル制作する」以上にやりたいことがあった
「デザイン業務に携わるなかで、自分のやりたいことが次第に見えてきて、それを突き詰めるために転職を決めました」と語るのは、アクセンチュアのデジタルマーケティング領域でディレクターを務める市村さんだ。
ECサイト運営会社でインハウスのデザイナーとしてキャリアをスタート。その後に勤めたWeb制作会社では、プロジェクトマネージャーやディレクターとして経験を積んだ。

「仕事をするなかで、自分はビジュアルをつくること以上に、情報設計やお客様との対話が得意だと感じました。それで次第に、マーケティングの領域にもっと踏み込んでみたいと考えるようになったんです」(市村さん)
そんな思いから、2016年に市村さんはデジタルエージェンシーのIMJに転職。その後、アクセンチュアによるIMJの吸収合併を経て、同社の社員となった。
これまで市村さんは、飲料メーカーのキャンペーンサイトやSNSの企画・運用、大手レシピサイト、化粧品サイトのフルリニューアルなどのプロジェクトに携わってきた。新たなプロジェクトに入るたびに、戸惑いや無力感を覚える場面もあったという。
「長く携わった担当業界を離れ、別のプロジェクトに入ったときには、これまでのやり方がまったく通用せず、同じ会社にいながら転職したような感覚に陥りました。
ただ、それを何度か経験するうちに、役割として本質的に求められることや、自分ならではのスタンス・強みが見えてきました。そうした失敗と試行錯誤を重ねた末に、難易度の高い案件を短期間でやり切れたときには、自分自身のブレイクスルーを感じました」(市村さん)
一方、市村さんと同じ部署でデザイナーとして従事する江藤さんは、大手チケット販売プラットフォーム企業のデザイナー出身。「UI/UXの視点のもと、より上流から設計に関わりたい」という考えから、2023年にアクセンチュアに転職した。もっとも、入社にあたっては不安も強くあったという。

「デザイナーとしてのスキルしか持たない自分に、コンサル会社の仕事が務まるのか……転職にはチャレンジの気持ちが強くありました。
実際に入社してみると、アクセンチュアは得意領域を持ったスペシャリストが多く、自動車業界に特化したデザイナーやビジュアルの提案に長けたデザイナーなど、強みを活かして活躍している人がたくさんいました。今思えば、『インハウス出身のデザイナーにここの仕事が務まるのか』という不安は、まったくの杞憂でした」(江藤さん)
「クリエイティブの先に誰がいるか」を意識
現在、二人はともに、大手金融機関の会員向けサイトのUI/UX改善プロジェクトに携わっている。アクセンチュアにおける「ディレクター」と「デザイナー」は、どのように連携し、価値を生み出しているのだろうか。
基本的な座組みとして、コンサルタントがクライアントと対話しながら描いた全体の戦略をプロジェクトメンバーと連携し、デジタル領域に紐づく課題、とりわけUI/UXの改善についてはディレクター・デザイナーが主導して検討を進めていく。
「私が担当するプロジェクトでは、ディレクターがクライアント先に常駐し、求められるユーザー体験を理解・整理したうえで、サイトの画面構成を定義します。その後、同じプロジェクトチームのデザイナーたちにアウトプットを依頼し、クライアントとすり合わせながら形にしていきます。必要に応じてエンジニアとも連携し、実装にも関わっていくという働き方です」(市村さん)
そのバトンを受け取る江藤さんの役割も、単なる「作業者」ではない。
「ディレクターが整理した要件をただ形にするだけでなく、デザインの視点から検証・フィードバックを行い、具体的なデザインへと落とし込むのが私の役割です。ビジネス戦略を叶えるUI/UXはどういったものか、制作過程では適宜ディレクターと密にすり合わせながらブラッシュアップを重ね、完成後にクライアントへ提出します。もちろん修正があれば、随時対応していきます」(江藤さん)

ここで問われるのは、複数のステークホルダーの視点に立ち、それぞれに与える「価値」を見つめる姿勢だ。
「クライアントが伝えたいメッセージと、エンドユーザーにとっての利便性。その両方を満たす必要があり、それにはUI/UXの知識だけでなく、ビジネスへの理解やヒアリング力など、さまざまなスキルが求められます。そこが難しさであり、この役割の面白さでもあります」(市村さん)
仕事の「難しさ」は、「面白さ」や「成長」と表裏一体なのかもしれない。江藤さんもまた、複数の立場からの求めに応える点を、仕事のポイントに挙げる。
「直接やりとりする相手はディレクターなので、ともすると『ディレクターが喜ぶもの』に意識が偏りがちです。しかし、クライアントに価値を感じていただき、さらにその先のユーザーにとって便利なものでなければ、本当の意味でクライアントの事業を前に進めることはできません。アクセンチュアでは、プロジェクトメンバー全体がユーザー視点で考えているので、私も『クリエイティブの先に誰がいるか』を明確に意識するようになりました」(江藤さん)
アクセンチュアで得た“クリエイティブ”と“ビジネス”をつなげる視点
こうした日々の業務のなかで、二人が口を揃えて挙げる自身の変化がある。それが「クリエイティブとビジネスをつなげられるようになったこと」だ。
「単に『この文字は大きいほうがいいです』ではなく、『こうしたビジネス背景があるので、効果を出すには、このアプローチが有効です』と説明できるようになりました。デザインをロジカルに捉えられるようになったことで、クライアントをはじめ非デザイナーの方々とも同じ目線で議論を深められる。
また、クライアントのビジネス全体をデジタルで変革していくなかで、コアとなるサービスづくりに携わっているからこそ、デザイン一つひとつが事業の成果や評価に直結するという責任も強く感じます。クリエイティブがビジネスにどう効くのかを理解したうえで仕事に向き合えるようになったことが、当社に来ての大きな変化です」(市村さん)
江藤さんは、プロジェクトの全体像を理解することで、これまでにない境地に至ったという。インハウスのデザイナーだった時代は、たとえば「ここのバナーを作って」といったピンポイントな依頼が中心で、その背景にある企画や戦略は見えにくかった。
「アクセンチュアではさまざまな領域の専門家が集まり、チームでプロジェクトを推進していくため、デザインも単なる表現ではなく、そのビジネスを前に進める重要な一要素になります。実務のうえでは、『こういう企画が動いている』と事前にコンサルタントが共有してくれて、ビジネス全体の戦略を把握したうえでデザインに臨めるので、的外れなアウトプットを出すことが格段に減りました。
特にアクセンチュアでは、そのように案件の全体像を踏まえて取り組むことが評価にも直結するので、以前とは違う視座で物事を見られるようになっていると感じますし、自分のアプトプットが与える影響の大きさや責任も意識するようになりました」(江藤さん)
こうして新たな地平へと歩を進めるクリエイターを支える一つが、ナレッジを共有し合うカルチャーだ。社内には多様なスペシャリストが在籍し、オンラインコミュニケーションツール上の各専門チャネルや勉強会を通じて、知見が活発に交わされる。
また、AIをはじめとする最先端のデジタル技術の活用にも全社的に注力し、それらをクリエイティブに積極的に取り入れている点も同社の大きな特徴だ。二人が入っているプロジェクトの中でも、AIを活用した具体的な取り組みが進められているという。
「たとえば、『ディレクター』と一口で言っても、さまざまな強みを持ったディレクターがいて、私ができないことを得意なディレクターに相談したり、適切な人を紹介してもらったりと、助け合える環境があります。
逆に、自分もスペシャリストとして扱ってもらえるので、きちんとスキルとして尖ったものを持っていないといけないなと思いますし、自然とみんなの助けになれる存在になりたいと思えます」(市村さん)

デジタル領域に紐づく課題、とりわけ最後に、アクセンチュアへの転職を考える読者に対し、メッセージをもらった。
「ディレクターによっても得意領域はさまざまで、強みを尖らせれば、必ず価値を発揮できる場所がアクセンチュアにはあります。特に、デザインをビジネスに紐づけてダイナミックな成果を得たい方には、フィットする環境だと思います」(市村さん)
「アクセンチュアには、デザイナーに対する多岐にわたるニーズがあり、個人の適性や伸ばしたい方向性を会社がしっかりと汲み取り、配属にも反映してくれる環境があります。だからこそ、自分のやりたい領域で最大限のパフォーマンスを発揮し、成長していける。そこが一番の良いところですね。クリエイターとしてアクセンチュアが気になるのであれば、その直感はきっと間違っていないと思います」(江藤さん)
培ったスキル、顧客支援を通じてビジネスに直結させるという、クリエイターとしての“新しい選択肢”。難しさもあるからこそ、マーケティングの最前線に広がる景色が、より鮮やかに映るのかもしれない。
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